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研究内容

 本研究室では、金属微細構造の光物性やその評価装置、光学モード、プラスモニクスの基礎原理、プ ラズモニックデバイスに関する研究・開発を行っています。 そのなかでも特に最近では、メタマテリアルの構成要素であるSRR(split ring resonator)及びプラズモン導波路の光学特性を実験とFDTDによるシュミレーションの両面から評価することを研究上の柱としています。これらの 研究分野では、海外からの招待講演を受けるなど、世界的に高い水準の研究実績と 知識・経験の蓄積があります。

現在、取り組んでいる主なテーマは次の4つです。

1.微小球リソグラフィー法(NSL法)を用いたメタマテリアルの作製・評価

2.伝搬型表面プラズモンを利用したプラズモン導波路デバイス開発

3.金属ナノ構造用いた線形・非線形光学特性評価

4.表面プラズモンを利用した高感度光センシング

 本研究室の柱の一つであるプラズモン導波路について少しふれておきましょう。
 現在の光の通信分野の技術発展が急激に進み通信の高速大容量化は不可決となっています。現在主流である光デバイスと電子デバイスの混成による光通信シス テムは、応答速度、電力効率などの制約により近い将来限界を迎えるといわれております。
高速大容量化に対応するためには、システムにおける光デバイスの構成比率をひきあげる必要があると言われており、様々な企業研究機関で、努力が続けられて います。しかし現在の光デバイスを高性能化とともに微細化することは、技術的に難しいとされています。その主たる原因が回折限界です。例えば回折限界のた めに波長程度の大きさよりも小さな幅の誘電体導波路の作製はできません。
そこで私たちは、回折限界をこえることができるプラズモンを利用したブラズモニック素子の開発に取り組んでいます。例えばプラズモン導波路を用いれば光の エネルギーを現在の電子回路の最小線幅と肩を並べるほど小さな領域に閉じ込め、局在させて伝播させることが可能になります。現在、プラズモン導波路にもたせる機能を果たすようにするために、 インターフェースの改善、変調器の作製等を試みています。

 2011年6月現在、教員と共に研究を行っている学生は、大学院博士前期課程が10名、大学院博士後期課程が4名(内社会人2名)、学部4年の卒業研究 着手者が6名います。毎週土曜日には、大学院生が中心となって「週レポート」と称する研究報告会を行っており、一週間の研究状況の報告とディスカッション を通じて、 互いの知識、経験を生かしながら研究できる環境を作っています。また学部生も月末の土曜日に「月レポート」と称する卒業研究報告会を行っており、知識の向 上と発表技術を養い、光技術者として即戦力となれるように早いうちから力を磨いております。